2008年10月30(木)

実験くたびれ帰り道適当に入った夜遅く開いている本屋、「日本石巡礼」というハードカバー本が一冊ころがるように、即ち棚から飛び出ていて、あまり渋いので即買った。こんな地味なのが、今月出たらしい。昨今ケー済の業界はなにやら大変みたいだけれど、ニッポンの底力にしんみり感謝した夜。いったい何冊売れるのか、どうでもいいけどとても気になっている。

2008年10月29(水)

とあるモノをつくってもらうのに、村一番信頼できる中小工場に図面をもっていき、社長さんと対談。
昔どうしようもなくワルくって、運転手、トルコのマネージャーなど二十も職を転々とした。村はずれの工場ではたいがい何でもつくってくれる。研究所の最新施設に使われる。若いのも優秀にそだっている。今材料だけで700万のとんでもねー見積もりをかいていると見せてくれた。汚れた作業服きたそのへんのおっさん風の、社長はまったくかっこいい人で、まだまだ遠く及ばないオーラをかんじてしまう。

2008年10月28日(火)

取手のベーグルカフェ「Backe」の晶子さんから、HPをリニューアルをお願い出来ないかなとお話を いただいてから早2ヶ月半。打合せ×撮影×作業を続け、先日遂に公開しました。これで一安心です。

いやぁ、それにしてもその間に何度「打合せ」をしたことでしょう。夫からは「晶子さんと飲んでばっかり」となじられても、 尊敬するカフェオーナーさんであり、頼りになる姉さんであり、飲み友達という貴重な存在との打合せですからね。 小さくなりながらも、そそくさと出掛けてゆきますよ。

2008年10月27日(月)

atelier365°の須知さんとあやさんを家にお招きして、第1回お猪口の会を開催。自分のお気に入りのお猪口を持参して、 お酒を飲もうという会です。
11月のイベント用に制作しているメインの試作品や、様々な花器と、岩間の分校の校庭からもみじやすすきをやまほど持ってきてくださったので、会の前に花遊び。よい花器に花を生け、むかし作った音楽を流し、まったりと酒を飲む、ものすごくゼイタクだが金がちっともかかっていない。『茶の本』は「茶は衛生学、経済学」であるとずばり言い当てたが、花も全く同じ経済学。

2008年10月23日(木)

のどかな丘の上に、尾崎悟さんの「月」。その向かいの小さな美術館の中に島田忠幸さんのメタルな犬のピラミッド。 一見相容れぬ作品のように見えるけれど、ご本人とそれぞれお会いし、話をさせていただくと何か通じるものを発見する。 先入観は禁物。出合った人だけが感じればいいと思う。

尾崎さんのアトリエで佐々倉さんが懸命に産み落とした蛙。生々しく現れた煤だらけの真鍮蛙は、これから光り輝こうとしている。

2008年10月23日(木)

先日、かしこくも佐渡の義父から新米が届いた。「神無月 佐渡の旬 お楽しみください」との熨しつきで。  元々、米に執着があった訳ではないけれど、新潟出身、好物が米という夫の影響で 随分意識をするようになっていた。しかし、今日の感動はすごい。

まず、封を開けて、これはいいお米だとわかる。 やわらかい光を帯びているようで品がいい。 研いでいる時は、手に米が触れて気持ちがいいと思ったのは初めてだったし、 当然水を切った時も一粒一粒がキラキラ光る。炊き上がりの輝きはこれまで見てきたけれど、米研ぎでここまでキレイと思うとは。。 期待を膨らませて待ち、ようやく炊き上がり。ひとすくい頬張って、「こりゃ、やられたわ」と思った。全部違う。

帰宅した夫にこの感動を伝えると、「やっと米の違いがわかったか」ですって。 こんな美味しいお米を毎日食べて育てば、そりゃぁ違いもわかるし、米が好物とも言えるだろうよ。

佐渡の旬、恐れ入りました。

2008年10月20日(月)

直感は大切。縁やタイミングもそう。昔は今以上に野生的なニンゲンだったので、 ここ数年はそういうものはあまり気にしないようにしていたのだけれど、やっぱり大事ねと思う。 しかも、それは資質とは関係なく、訓練次第な部分も多いのではと感じている。

昨日もそうだ。atelier365°の須知さんあやさんと車での移動中、赤信号で停車。 ふと夕暮れの窓外を見るとその交差点は、いつもお世話になっている器屋さんへの曲がり角だった。 ちょうどいいタイミングだったので、3人で寄り道をしようということになった。

店のオーナーに須知さんを紹介すると、「花器も作られているのですか?」と間髪入れずに質問。
「ついさっき、知人から鉄で花器を作れる人を知らないか?と聞かれたばかりなんです!」
なんとも絶妙なタイミング。おかげで話も弾むし記憶にも残る。

たまたまといえばそれまで。しかし、風の便り、なんかちょっと嬉しいではありませんか。

2008年10月19日(日)

自棄が過ぎたようで体調を一気に崩して布団の中。
妻は一人“工房からの風”へ出かけた。

こっちは風邪と攻防、終日ねころがって本読み。
無限にあろうかと思われる時間、実家からおくられてきた柿を、むいては食べ、食べてはむく。

秋晴れの日曜日に柿の山吹色がまったりとうつる。
柿は味も色も本当に品がよいものだ。

読んでる本の中では応仁の乱あたり、世の中は乱れに乱れている。夜道には盗賊もよく出る。
現代は平和すぎるとおもってまた柿を食う。

2008年10月18日(土)

カキツバタを稽古した。
カキツバタは大きさといい、色といい、とてもよくできた工芸品のよう。 こればかりは、どこまでもきれいに、風流にいけようと、努力する。

最近は我が家にもテレビがあるので、日曜美術館がうつるが、光琳の杜若図屏風が大写しでおっとおもう。 おっとおもうのは、異常に大量の杜若の群の配置に、自棄(ヤケ)的なものがあるからか。自棄は、今週末のテーマだったきがする。悪い意味でなくて、切実さという意味で。

御稽古のまえに板谷波山記念館にいった。入場は200円と安いけど、もともとモノがそんなにない上にこないだいつくかぬすまれた。彼も自棄といえばヤケな人だ。学校の先生を突然やめて窯を築いた。しばらく貧乏をした。生家と、工房でつかっていた自作のイスなどをみて、とてもよい気分になった。よいところにくると、頭がすっきりする。

研究なんか特に、自棄な仕事など出来ないご時勢だけれど、ちょっとも自棄でない仕事ではあんまりおもしろくないだろう。

どうも自棄的でないモノゴトに囲まれすぎてるのかな、とおもう。
自棄のない詩など詩でない、というようなことを中原中也が書いていたなと思う。

深夜のガストでこーこーせーに混じって、スチさんあやさんと来月の展示について語る。たのしい。

2008年10月15日(水)

ジュエリー作家のmisaさんが制作した"moon"という名のネックレスに ぐっと惹かれたのは、私が満月生まれだからでしょうか。正円でないマルと表面の磨き具合がなんともやさしい仕上がり。ピンク色の小さな珊瑚でおめかししたお月様は、神秘的であると同時に 愛らしいのです。
20代最後の今夜も満月がきれいに輝いています。

2008年10月14日(火)

土曜日に、友人からお勧めされいてた神保町の「鳥海書房」でいけばなの本をあさってきました。さすがマニヤックな動植物学の専門古書店だけあって、宝探し気分。親切な店のおじさんに紹介された本は、昭和50年代の「いけばな芸術」 全26巻。 花材別に植物誌、文化史、作品が掲載されています。かなりしっかりとしたつくり、ゆっくり読むのが楽しみです。

届いた包みの表には、お店の壁に張られいてたものと同じ石鯛の魚拓。かなりいかした二つの小包み、宅急便のお兄ちゃんもきっと「これ何だろう?」と思ったことでしょう。

2008年10月13日(月)

秋晴れ、赤坂氷川神社、オノ・ヨーコさんの作品があります。長崎、広島、沖縄の土の山。じかんと空間をどうにかしてしまっている感じ、しびれます。御日柄良く、白無垢と紋付の神前式がおこなわれています。雅楽にのって超抽象的に、素敵!

2008年10月10日(金)

せっせとPCに向かって作業をしていたら、電話が鳴る。まっ・・・まずい!!シゴトの打合せ 約束時間の10分前!集中するのも考えものです。反省。。 自転車をビュンと飛ばして待ち合わせ場所へ。

北欧から今日帰ってきたばかりのライターさんが「いつでしたっけ?8月?」とおっしゃり、時差ボケならず季節ボケ?! と衝撃を受けた。「いえいえ、前回お会いしたのはいつでしたっけ?」。なぁんだと笑いながら、 仕事の話からプライベートの話まで続けていると、気づけばカフェには私達だけ。当然すっかり夜になっていました。もう秋だなー。


トボからのお知らせ」を設置しました。
11月に参加するイベント情報 UPしました。ぜひご覧ください。 

2008年10月9日(木)

友達を迎えるために、ベランダのこんもり茂った鉢の中から藤袴一輪摘んで、茶箪笥の上に飾る。季節はずれになってしまった 団扇もそのままに。昼食は洋のモノを準備。音楽は「元気な曲をかけて」と言われてアレコレ選曲。曲にあわせて「オマツリサワギ!」と歌っていた友達は 予想通り作業を間違えるかわいらしさ。ざっくばらんなこんな時間がたのしい。

2008年10月7日(火)

小林益川理論には特に何もかかわりあいがないながら、高エネ研に程近い研究室で学生とすばらしいニウスに興奮するのは実に興あること。本日はノーベル賞といかないまでもあわただしく働き皆なかなかの収穫があった日。自転車とばしかえりついてヤキトリ丼をつくってもらって、ベランダの藤袴をじっくり眺めるおつな夜長。

2008年10月6日(月)

「引っ越しのお祝いに観葉植物を贈るよ。何がいい〜?」と母からの言葉。
さて、何がいいか・・・? 生けられるから南天。とか、料理に使えるから月桂樹。とか、明らかに引っ越し祝い的でない植物を 頭の中にぐるぐるとさせる娘を悪く思わないでくださいと思いながら、さて、何がいいか・・・。
・・・1週間ほど考えた末、オリーブに決定!これは実を実らせて食用にしようと思ったのではなく、もちろんオリーブオイルを しぼってみようと考えたのでもなく、母の想いを尊重させて部屋の中で見守ってくれるような植物がいいかなと。(といっても、母から そういう言葉を聞いたことはないけど。)

そして週末にやってきたオリーブちゃん。 トボの部屋に地中海の風が吹いています。部屋の空気感を変えてしまう植物はやっぱりすごいよなと感心してしまいます。

大事にしなくっちゃと育て方を調べたところ、 「花や実成りを楽しみたい場合は0度くらいの寒さに当てる必要があります」と。
なっなんだって?!地中海もそんなに寒くなるのかぁ ・・そんなの中学生で習ったっけ?と妙に新鮮な気持ちになりつつ、それじゃうちオリーブちゃんは冬に鉢ごと外に出すしかないか・・?と 明らかに実をならせようとした自分に反省。そんなに食に困ってる訳でもないんですけど、つい・・・。