2010年9月25日(土)

さかなといういいバンドがいて、陸の孤島市でまさかのライブ・個展がありました。企画は千年一日珈琲焙煎所といういいカフェです。

  凍てつくような冬の日差しに
  気ままな旅をしていた私には
  まるで用がなさそうな退屈な町があった

独特に膨張するイメージです。いい音です。いい絵です。いいゆうがたの空気です。陸の孤島にこんないい企てをするお店があることはいい。

( y )

sakana

2010年9月21日(火)

くそ田舎佐渡島出身ですが、3年に一回くらいは上から目線で物を書いてよろしいでしょうか。

いやごはんのことなんですけど、おいしいごはんを食ってる人ってどれくらいいるのでしょう。 その米は本当にうまいですか、研ぎ方はそれでいいんですか。そのなんとなくへんな玄米の味はほんとうの玄米の味なんですか。 とはいっても自分はコンビニおにぎりから事故米すれすれのタイ米古米までをうまいといっているのであるから、別に美食がいいというわけではない、ないのだけど、ほんとにおいしいご飯がはどのレベルにあるのかを知っとくのは人生の、なんというか希望みたいなものではありませんか。もうそれ(うまいごはん)は、たいていの人にとっては、まるきり別物、なんじゃあこりゃあということになろうかと思います。 べつに高級品を薦めているわけではなくて、田舎(新潟県に限定します)で真面目に作ったものをちゃんと砥いでちゃんと炊くと、普通にちゃんとなります。まあ田舎(新潟県に限定します)で真面目に作ったものは、そもそもほとんど流通しませんので、表日本で見かけたとしても高い値がついているのかもしれませんが。ちゃんとした本物のごはんを知っていると、たとえば茨城県のくそいなかの沿道で「日本一おいしいコシヒカリのふるさと常陸太田」といういくつもの大いなる矛盾をはらんだ堂々とした立て看板を目にしたとしても、クスリとわらってスルーできるわけです。茨城県は干し芋がすてきにおいしいのだから、それをちゃんとやってくれればよろしい。新潟県の佐渡島などは、フェリー乗り場なんかの、食券買うようなてきとうな食堂ででるご飯がとんでもなくおいしくでびっくりすることがありますが、こういうのがほんとうはかっこいいとおもうのです。

( y )

2010年9月19日(日)

上高地、涸沢というと、カラリと澄んだ青空、峨々とした穂高連峰にかこまれた天国のような涸沢カールをひろく見わたす、大変素敵なイメージがつよいけども、我々が訪れると、ほぼ100パーセントしとしととあめがふり、ガスにけぶるのであります。涸沢にかぎらずとにかく我々が山という山へ行くと、たいていそうなのであります。しかし、実際カラリとした日より圧倒的に曇りと雨とが多い山、というか日本、このような湿った空気と厚い雲を通した弱い光の下でこそ、たとえばいけばなは成り立っているわけです。そしてこんな空気のほうが山は龍神も住んでまたは阿弥陀も顔を出しかねんくらい荘厳に映るし、ぬっとした緑も存在感が俄然増す、それでいて柔らかな、このような状態に包まれることができた奥穂高、ほぼ何も見えなかったけれども、重要なイメージを強く感じます。

( y )

上高地

2010年9月11日(土)

川をみる、という殊勝な趣味をもつセンパイがいて、釣るでもなく、泳ぐでもなく、とにかくみているのがいいらしいので、その醍醐味をむかしから知りたかったところ、ついに連れて行ってくれるということになって、3−4年越しの夢が実現、川見のツアーです。

川というもの、適度な川幅と、適度な水量と、適度な合流の具合と、適度な流れの速さと、「魚が飛んだら超えられるくらいの」適度な段差が必要で、かつ周りに人がいるようではいけないのだというので、すべての条件を満たすポイントはこの無駄に広い県内でもかなり限定されるという、その厳選お勧めポイントまで車で移動距離相当。ついたところにはほんとに人が一人もいない、そもそもこれまで川見ポイントでは「いままで誰にもあったことがない」ので川見を愛好する輩は「この県にはひとりしかいないのでは」、という極希少趣味に感激。

なぜこんな場所を見つけられたのかと驚愕の地味川見ポイントでしばししゃがんで川を見ていると、水面がこれがなかなかきらきらして、ふと、あ、これいいじゃん、とわかったような一瞬がきて、「意外といいですね!」と、県内唯一の川見の先達に対して失礼なことをいう。しかしけして秘境ということでない道路沿いにこんなに時間がぽっかり止まった空間を見つける嗅覚はただものではない、こういう場さいきんないですからね。

センパイは実は尊敬する物理屋、中でもとくに難しいであろう強相関電子系という名前からして困難なトコでとても良い仕事をしておられるいわゆるホープというやつ、その彼をここまでひきつけるものは川の何。その深遠に迫るこの川企画を「タモリ倶楽部」に売りませんかと思いつくと、同じ趣味の人が増えたらこまるから駄目と即答。しかしわれわれはすでに川見という新種の趣味に開眼してしまった、ということで県内にまだ四人。

かえりには村の居酒屋で飲んで、歴史的インパクトをもつであろう川企画の第一回は地味に終了したのです、が、ついさっき都会のおしゃれラヂオで、高橋ユキヒロさんが「これからは川を眺めて暮らしたい」との旨おっしゃっていて、これも特に釣るわけではないのだという。なにかの流れは確実にきている!

( y )

2010年9月6日(月)

時々わたしの日記に間があいてしまうのは、わからない時期がやってくるからです。

「今日はおっかしかったなぁ〜」と思って書いた日記に、相方から「意味がわからない」と言われる。 読み返してみると確かにわかりづらいかもしれないなあと、ちょっと説明を加えると今度は、「つまんなくなったから、もっと素直に書きなさい」と一言。素直に書いた日記には、「おもしろくない」と一蹴。 書いた日記にやれ「おもしろくない」、「意味がわからない」と言われるもんだから当然ションボリしてると、「tの日記は、おもしろくない、意味がわからないのが良いの。 おもしろくないも意味がわからないも、褒め言葉なの。でも“つまらない”日記は書く意味がないよ。わかった?」

 さっぱりわかりません。

( t )

2010年9月3日(金)

最近出た柄谷行人氏の「世界史の構造」は、装丁が抜群で、手触りも良く、相当気に入っていたところ、あまつさえ昨夜も二人でそういう話をしていたところ、今朝起きたら表紙に猫の爪あとがみつかり、そのため猫は新聞でばしんばしんと何回もたたかれ、机の下に逃げて隠れています。

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柄谷行人氏 「世界史の構造」

2010年9月2日(木)

ネイルの色見本を見ながら、お姉さんが「わたしは5番と7番の色が好きだから、“5、7、5、7、5”って順番に塗ったりするんですよ」って言ったので、 なんか指先に暗号でも付けてるみたいって思った。
お姉さんの暗号はなんだろう。「韓国に行きたい」かなあ?私の暗号は“6、6、6、6、6”で「秋よ来たれ」です。

( t )